植木屋道場とは、当社の植木カットデザイナーを教育指導、技術など、現場作業で全体のサポートをする部署になります。
毎日のカットデザイナーからの問い合わせはもちろん、定期的な研修を開催したり、事故発生時の一次対応など業務範囲は多岐にわたります。
お客様と直接やり取りをすることはありませんが、植木カットデザイナーのサービス品質を管理しています。
今回はこのカットデザイナーを支える「植木屋道場」についてご紹介します。
1.KY活動の徹底
植木屋の作業は常に危険が隣り合わせです。刃物を扱うことはもちろん、他にもたくさんの危険が潜んでいます。
例えば高い木の剪定を行うとき、安全ベルトをかける枝は人工のものではないため、見た目は堅そうに見えても中が腐っていたりすると容易く折れてしまい、落下事故の危険性もあります。
そういった事故を防止するため、植木屋道場ではKY活動を徹底するよう指導しています。
KY活動とは・・・危険予知(KY)活動といい、作業前に作業現場に危険因子がないか全体を確認し、少しでも事故につながりそうなものがあれば予防措置を行います。
例えば
折れそうな枝がないか・・・突然折れる可能性
木の下に破損しそうな鉢などないか・・・落下した枝があたって損壊する可能性
三脚を立てる地面はやわらかくないか・・・バランスを崩して三脚から落下する可能性
等々
人が一人一人違うように、お庭も一つ一つ違います。同じ庭はありません。
だからこそ、「一見安全そうに見える庭でも必ず落とし穴がある」として、作業前のKY活動の徹底を呼び掛けています。
2.掲示板を利用し、事故防止啓発
カットデザイナーが互いに情報交換できるネットの掲示板を利用し、
実際にあった事故事例やヒヤリハット事例を掲載して情報共有を行っています。
安全策を講じても残念ながら現場で事故が起きてしまった場合には、植木屋道場が現場を訪問、原因を特定し、事故情報は即座に配信されます。
地道な呼びかけと指導のおかげで、少しずつではありますが、事故発生率は下降傾向にあります。
今後も植木屋道場は「事故ゼロ」を目指して、日々の安全活動の呼びかけと情報収集を怠りません。
「街路樹のような高木の現場があった」
「門かぶりの松の依頼があった」
「ロープでの高木作業に自信がない」
そういった声にこたえるため、定期的に高度メニュー別の研修を行っています。
植木屋道場と熟練した先輩カットデザイナー(三ツ星制度参照)による指導のもと、知識と技術をマンツーマンで丁寧に教えます。
職人の技術は目で見て盗め・・・そんな時代は終わりです。
目で見て盗むより直接教えるほうが技術習得の近道です。
当社の熟練のカットデザイナーは知識や技術は惜しみなく教えます。
研修はメニューによりますが、研修は定員制になります。それ以上になると教えることに限界があるからです。
より多くのカットデザイナーが受講できる研修を開催していくことが、植木屋道場の今後の課題になります。
情報交換の場を設けることも植木屋道場の活動のひとつ。
例えば2021年6月に開催した庭園ツアー。たくさんの県からカットデザイナーが参加し、庭園の借景を学びつつ、お互いに情報交換をします。
お庭も地域によって千差万別、地域の特性や効率的な作業方法、道具の良し悪し、新商品の情報などを交換しあいます。
普段一人で活動することが多いカットデザイナーにとっては息抜きと知識向上のいい機会となっているようです。
またカットデザイナー同士の交流の場はネットでも。
前述の「カットデザイナー掲示板」では、見たことのない樹木や病気の樹木の対処法なども教えあっています。
日本にあるだけでも樹木の種類は約1,200種と言われています。外来種も含めるとさらに多いことでしょう。またそれらの樹種にも特性や病気があります。
知識の習得に終わりはありません。
掲示板はカットデザイナーの樹木知識の宝庫となっています。
植木屋道場の業務に終わりはありません。
技術や知識の向上は安全やお客様サービスへの第一歩。
「日本のお庭を笑顔にするために」
植木屋道場の取り組みはこれからも続きます。