モッコクは、光沢のある厚い葉と、夏に咲く白い小さな花、そして秋から冬にかけて熟す赤い実が特徴の常緑高木です。
「庭木の王様」とも呼ばれ、風格のある樹形は和風・洋風問わず様々な庭に馴染み、シンボルツリーとしても人気があります。病害虫に強く育てやすい樹木ですが、適切な剪定を行うことで、美しい樹形を保ちながら健康な生長を促すことができます。
今回はモッコクの剪定時期と剪定方法についてご紹介します。


モッコクの剪定に適した時期

モッコクの剪定は、主に木の生長が穏やかな春(3月〜4月頃)と、生長が落ち着く秋(9月〜10月頃)が適しています。特に、樹形をしっかり整えたい場合は、春の剪定がおすすめです。
●春(3月〜4月頃)の剪定(適期)
この時期はモッコクが新芽を出す直前であり、剪定によるダメージからの回復が早い時期です。樹形を大胆に整えたり、込み合った枝を整理して風通しを良くするのに適しています。生垣として刈り込む場合も、この時期が理想的です。
●秋(9月〜10月頃)の剪定(軽めの剪定)
夏の生長が落ち着き、休眠期に入る前の時期です。この時期は、伸びすぎた枝を軽く切り戻したり、樹形を乱す枝を整える程度にとどめます。強剪定は避け、軽めの手入れがおすすめです。冬に向けて、樹形を維持する目的で行いましょう。
●夏季(5月〜8月頃)、冬季(11月〜2月頃)の剪定(原則避ける)
モッコクの生長が旺盛な時期ですが、この時期に強剪定を行うと、木に大きな負担がかかり、樹勢を弱める可能性があります。原則としてこの時期の剪定は避け、どうしても必要な場合は軽い手入れにとどめましょう。
| 時期 | 剪定の目的 | 主な作業内容 | 花付きへの影響 | 特記事項 |
|---|---|---|---|---|
| 3月~4月 (春) |
樹形の調整 生長促進 | 軽剪定 切り戻し 透かし剪定 生垣の刈り込み | 影響なし~軽微 | 剪定の最も適した時期 回復が早い |
| 9月~10月 (秋) |
枝の整理 樹形調整 | 混み枝の整理 軽い切り戻し | 軽微な影響 | 冬前に樹形を整える 強剪定は避ける |
| 5月~8月(夏) 11月~2月頃(冬) |
原則避ける | 徒長枝の先端を切る程度(ごく軽い剪定) | 注意が必要 | 強剪定は避ける |
モッコクの剪定は必要?

モッコクは比較的生長が緩やかですが、放置すると10メートル以上の大木になることもあります。そのため、枝が伸びすぎて樹形が乱れたり、葉が密集して風通しや日当たりが悪くなり、管理が難しくなることがあります。
庭木や生垣として育てる場合、適切な高さや幅に抑えるのが一般的で、剪定を行うことで、樹形を美しく保ちながら、日当たりや風通しを改善できます。
適切な剪定を行うことで、枝が混み合って風通しや日当たりが悪くなるのを防ぎ、内部の枝葉が枯れたり、病害虫が発生しやすくなるのを防ぐことができます。剪定によって樹高を適度に抑えることで管理がしやすくなり、木の健康を長く保つことができます。
モッコクの剪定に必要な道具

モッコクの剪定には、以下の道具が必要です。
- 剪定ばさみ:細かい枝を切るために用います。太い枝の手入れでなければ剪定ばさみで十分です。
- 園芸用手袋(軍手もOK):葉裏に潜む害虫や飛び出した枝から手を保護するために使用します。
- 防護メガネ:目上の手入れは剪定枝の落下、裁断時の細かな塵などから目を保護するために着用します。
《 あると便利な道具 》
- 刈込ばさみ:広範囲の枝葉の切り落としや木の形を整えるために使用します。
- 高枝切ばさみ:3m以上の金木犀の剪定に便利です。
- ノコギリ:太い枝を切る場合は必要です。
- ビニールシートや新聞紙:剪定後の枝葉を集めやすくするために敷きます。
- ゴミ袋:剪定後の枝葉をすぐに片付けるために使用します。
- ちりとりやほうき:剪定後の掃除をスムーズに行えます。
- 消毒液:道具を清潔に保つために使います。
- 癒合剤:切り口に塗ることで病気の予防になります。
- 脚立:自分の身長より高いモッコクの剪定を行う際に必須です。
《脚立を使用する際の注意点》
脚立を使用する際は必ず平らで固い安定した足場を確保したうえで、脚立の取り扱い説明書を確認したうえで、脚立が倒れないよう十分に注意しましょう。
慣れていない作業は大きな怪我につながる可能性が高いため、少しでも不安を感じる場合は自身で作業を行わず、業者へ依頼することをおすすめします。
モッコクの剪定方法

モッコクの剪定方法は以下の手順で行います。
①樹高と樹形の調整(切り戻し剪定・刈り込み剪定):
高さや幅を整えるために、伸びすぎた枝や主幹の先端を好みの高さで切り戻します。モッコクは刈り込み剪定にも強く、様々な樹形に仕立てることができます。深く切りすぎると株が弱る可能性があるため注意が必要です。
②不要な枝の除去:
まずは枯れた枝や病気の枝、他の枝と絡み合っている枝を取り除きます。
③風通しの確保(透かし剪定):
内部に密集している枝を間引き剪定によって取り除き、風通しと日当たりを良くします。特に、内向きに伸びる枝や平行に伸びる枝を優先的に剪定することで、木の内部まで光や風が届きやすくなり、病害虫の予防につながります。
モッコクの剪定で切るべき枝(不要枝)の切り方

■樹形を乱す枝
- 立ち枝:真上に勢いよく伸び、全体のバランスを崩す。
- 下がり枝(垂れ枝):下向きに伸び、見た目や風通しを悪化させる。
- 徒長枝:細く長く伸び、風に弱く、害虫の温床にもなりやすい。
■枝同士が混み合っている枝
- からみ枝:枝同士が絡み合い、風通しや日当たりを妨げる。
- 交差枝:別の枝とこすれ合って傷つきやすい。
- 混み枝:密集していて光や風を遮る枝。透かし剪定の対象。
■方向の悪い枝
- ふところ枝(内向き枝):木の中心に向かって伸び、蒸れやすくなる。
- 逆さ枝:幹に逆らって伸びる枝。樹形を乱す原因となる。
■成長や栄養バランスを乱す枝
- ヤゴ(ひこばえ):根元から出てくる枝で、主幹の成長を妨げる。
- 胴吹き枝:幹の途中から出る枝で、樹全体の栄養バランスを崩す。
■不健全な枝(病気・枯死)
- 枯れ枝:水分がなく、折れやすい。病害虫の温床になる。
モッコクを剪定するときのコツ

モッコクを剪定するときのコツは以下の通りです。
- 内部の葉を残す:
モッコクは、葉を多く落としすぎると、そこから新芽が出にくくなる場合があります。剪定する際は、枝先にいくつかの葉を残すように意識しましょう。 - 深切りを避ける:
深く切りすぎると、切り口から枯れ込んだり、回復に時間がかかったりする場合があります。特に太い枝を切る際は慎重に行いましょう。 - 全体のバランスを見る:
生垣や仕立て物として育てる場合は、均一な形を保つために全体を見ながら剪定します。自然な樹形を楽しみたい場合は、不要な枝を間引く透かし剪定が有効です。 - 剪定は年に1〜2回程度:
生長が比較的緩やかなため、年に1〜2回の剪定で樹形を維持できます。
全体のバランスを考えながら、風通しの良い整った樹形を維持することが重要です。
モッコクを剪定するときの注意点
モッコクを剪定するときの注意点は以下の通りです。
- 適切な時期を守る:
モッコクの剪定は、生長が穏やかな春(3月〜4月頃)または秋(9月〜10月頃)に行うのが理想的です。特に夏の強剪定は避けましょう。 - 深く切りすぎない:
一度に多くの枝を切りすぎると、木に大きな負担がかかり、樹勢が弱まる可能性があります。樹形を整える範囲に留め、不要な枝を中心に剪定しましょう。 - 水やりと肥料の調整:
剪定直後でも通常通り水やりを行い、乾燥しすぎないように注意します。モッコクは基本的に肥料をあまり必要としませんが、樹勢が弱っていると感じた場合は、春の生長前や秋に緩効性肥料を施すことが一般的です。
- 消毒を徹底する:
剪定ばさみを消毒してから使用することで、病気の伝播を防ぎ、木の健康を守ることができます。
- 癒合剤を塗る:
剪定後の切り口は病原菌の侵入や乾燥によるダメージを受けやすいため、癒合剤を塗ることで木の健康を守ることができます。特に太い枝を切った場合は必須で、切り口が乾かないうちに均等に塗布するのが理想的です。
モッコクは剪定の仕方によっては成長や樹形に大きな影響を与えるため、適切な剪定を心がけることが大切です。不要な枝を整理しながら風通しを良くすることで、病害虫の発生を防ぎ、美しい樹形を維持できます。
モッコクの育て方のポイント

モッコクを健康に育てるためのポイントは以下の通りです。
- 適切な場所:
日当たりが良く、風通しの良い場所を好みます。半日陰でも育ちますが、日当たりが良い方が健全に育ち、葉の色や実付きも良くなります。潮風にも強く、海岸沿いでも育てやすい樹木です。 - 土質:
水はけと水持ちの良い、肥沃な土壌を好みます。特に土質を選びませんが、極端な乾燥や過湿は避けるようにしましょう。植え付けの際には、腐葉土や堆肥などを混ぜて土壌を改良すると根張りが良くなります。 - 肥料:
モッコクは基本的に肥料をあまり必要としませんが、成長が悪い場合や、より健全な生長を望む場合は、春の芽吹き前や秋に緩効性肥料を少量施すのが一般的です。木の成長や状態を見ながら適量を調整することがポイントです。 - 水やり:
庭植えのモッコクは、根付いてしまえば通常の水やりはほとんど不要です。ただし、夏場の乾燥が続く場合や、植え付け直後、若木の間は、根がまだ十分に張っていないため、土の状態を確認しながら適度に水を補給することで、健康な成長を維持できます。 - 病害虫対策:
モッコクは比較的病害虫に強いですが、まれにカイガラムシやハマキムシなどの被害を受けることがあります。特に風通しが悪いと発生しやすいため、剪定で予防することが重要です。病気にかかった枝は早期に切除し、適切に処分します。害虫は早期発見し、駆除することが大切です。
まとめ

「庭木の王様」とも称されるモッコクは、その美しい葉と風格のある樹形、そして季節ごとの変化で庭の景観を豊かにしてくれます。適切な剪定を行うことで、その魅力をさらに引き出し、健康的な成長を促しながら美しい姿を維持できます。
剪定は樹木の健康と美しさを長く保つための重要な作業です。剪定の知識が不足したまま枝を大きく切り落とすと、樹勢が弱まり、木に負担をかける可能性があります。モッコク本来の姿を大切にしながら剪定を慎重に行い、適切な枝の整理を通して風通しを良くすることで、病害虫の予防にもつながります。
自分で行う剪定作業に不安がある場合は、業者に依頼して適切なお手入れをしてもらうことをおすすめします。
冨宇加ナターシャ |植木屋革命 WEBマーケティング・編集担当 植木屋革命のWEBコンテンツ全般を担当。これまでに執筆した記事は100本を超えます。 庭いじり初心者の方にもわかりやすく、気軽に楽しめるガーデニング情報を発信中。季節ごとの植木の手入れのコツや、ちょっと珍しい野草の話題など、暮らしに寄り添う“緑のヒント”をお届けしています。 |
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