【施肥】庭木にやさしい肥料の与え方とおすすめの時期

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作物に肥料を与えることを施肥(せひ)といいます。
施肥は毒にも薬にもなるんです。庭木にとって適切な肥料を与えて 美しい花や実を楽しみましょう。

 

植木カットデザイナーの黒田流!やりすぎ厳禁「施肥」

今回教えてくれたのは
植木カットデザイナー(庭師)の黒田圭太さん

黒田圭太1

※植木カットデザイナー「三ツ星制度」 ニツ星評価要件/当社勤務10年以上、累計作業件数3,000件以 上で、接客・技術・安全の分野において所定の試験に合格した者。

 

人はたくさん活動すると疲労がたまります。庭木も同じです。

猛暑を耐え忍んだり、多くの花や実を付けたりすると多くのエネルギーを消費し、くたびれます。そんな時は栄養補給が必要なのです。
お庭は山林とは違い、土壌が栄養不足になりがちです。なぜなら山林は落ち葉や動物の糞尿、微生物の活動で自然循環サイクルができていますが、きれいに整えられているお庭は、その作用は期待できないからです。

だからといって肥料をたくさん与えればいいといというものではありません。
例えばぐったりしているときに、油たっぷりのステーキを次々と口に運ばれたらどうでしょうか? それがたとえ特上A5ランクの和牛であったとしても。庭木も同じです。

その木に必要な栄養を必要な分だけ、適切な時期にゆっくりと与えるのが、庭木にやさしい施肥なのです。

こんな時は庭木に肥料を!

・庭木の葉の色つやが悪くなってきた
・庭木の花付きが悪くなってきた
・庭木の幹や枝の皮がめくれる
・庭木から果実を収穫をした

花木や果樹には毎年の施肥がおすすめ。植栽したばかりの庭木への 施肥は、根が痛んでしまうことがあるのでおすすめしません。 与える量は肥料袋に記載されているものを守りましょう。

庭木へ肥料を与える適期は?

12月~2月 / 寒肥(かんごえ)

施肥の目的:芽吹きの力を蓄える期間。ゆっくりと時間をかけて栄養を蓄えるため。

 

花後・収穫後 / お礼肥え(おれいごえ)

施肥の目的:花を咲かせたり、果実を収穫したりした後に、庭木の疲れを回復するため。

庭木に肥料を与えるときのポイント

【今回施肥をした庭木】
樹種名:金柑(キンカン)
樹高:150cm(低木) 肥料の種類:油かす (有機肥料)

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【施肥のポイント解説】

①幹元ではなく、枝の先端の真下くらいの位置に穴を掘って肥料を施す。掘ったことで根に傷が付き、吸収力が増す。
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②穴は横幅30cm、深さ10~ 30cmほど。木の大きさに合わせる。今回施肥をした金柑は幅30cm、深さ10cmに。
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③穴の数は、4~6カ所 基本は緩効性の有機肥料 がおすすめ。
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※即効性の化成肥料を使 用する場合は、枝の先端 の真下、土は掘らずに表面にまきましょう。

有機肥料:自然由来の肥料。持続性が高く、ゆっくり効果が出る (油かす・鶏糞・骨粉など)
化成肥料:即効性がある肥料。おもに追肥に使用

庭木に肥料を与える作業に少しでも不安がある場合は、無理をせずプロに相談してみるのもおすすめです!
庭木に合わせて適切な肥料を与えることで、美しい花や実を楽しみましょう。