サルスベリは、夏から秋にかけて華やかな花を長く咲かせる落葉高木で、その美しさから多くの人々に親しまれています。庭木や公園樹としても定番ですが、毎年美しい花を咲かせるためには、適切な剪定を行いながら樹形を整えることが大切です。
今回はサルスベリの剪定時期と剪定方法についてご紹介します。


サルスベリの剪定に適した時期

サルスベリの剪定は、主に落葉後の12月~3月頃と、花後の8月下旬~9月頃(軽剪定)が適しています。
●落葉後(12月~3月頃)の剪定
この時期はサルスベリが休眠期に入るため、木に負担をかけずに剪定を行えるタイミングです。この時期に強剪定を施すことで、翌年に勢いよく枝が伸び、豊かな花つきが期待できます。伸びすぎた枝の整理や樹形の調整にも最適な季節です。
●花後(8月下旬~9月頃)の剪定【二番花を咲かせたい場合】
この時期は、最初の花が咲き終わった直後で、枝の先に軽く手を入れるのに適しています。穂のすぐ下で行う「花がら摘み」に似た剪定を施すことで、新たに伸びた枝に二番花が咲く可能性が高まります。
樹形を大きく変えるような強剪定は避け、風通しやバランスを整える程度の軽い刈り込みにとどめるのがポイントです。
| 時期 | 剪定の目的 | 主な作業内容 | 花付きへの影響 | 特記事項 |
|---|---|---|---|---|
| 12月~3月頃 (落葉後・休眠期) |
翌年の花芽形成を促す、樹形を整える | 強剪定・切り戻し剪定・不要枝の除去 | 翌年の花つきが良くなる | 最も重要な剪定時期 大胆な剪定が可能 |
| 8月下旬~9月頃 (花後) |
二番花を咲かせる、軽めに樹形を整える | 花がら摘み・軽い切り戻し剪定・乱れた枝の整理 | その後の花付きを促す | 強剪定は避け、軽めの手入れにとどめる |
サルスベリの剪定は必要?

サルスベリは生長が早く、放置すると5~10メートル以上の大木に育つこともあります。そのため、枝が伸びすぎて樹形が乱れ、管理が難しくなることがあります。
庭木として育てる場合、一般的には2〜3メートル程度に抑えるのが理想的で、剪定や病害虫のチェックが容易になり、日常の手入れもスムーズになります。
適切な剪定を行わないと、枝が混み合って風通しや日当たりが悪くなり、病害虫が発生しやすくなることがあります。また、サルスベリは新しい枝に花芽をつける性質があるため、剪定によって新しい枝の発生を促し、より多くの花を咲かせることができます。剪定によって樹高を適度に抑えることで管理がしやすくなり、木の健康を長く保つことができます。
サルスベリの剪定に必要な道具

サルスベリの剪定には、以下の道具が必要です。
- 剪定ばさみ:細かい枝を切るために用います。太い枝の手入れでなければ剪定ばさみで十分です。
- 園芸用手袋(軍手もOK):葉裏に潜む害虫や飛び出した枝から手を保護するために使用します。
- 防護メガネ:目上の手入れは剪定枝の落下、裁断時の細かな塵などから目を保護するために着用します。
《 あると便利な道具 》
- 刈込ばさみ:広範囲の枝葉の切り落としや木の形を整えるために使用します。
- 高枝切ばさみ:3m以上のサルスベリの剪定に便利です。
- 脚立:自分の身長より高いサルスベリの剪定を行う際に必須です。
《脚立を使用する際の注意点》
脚立を使用する際は必ず平らで固い安定した足場を確保したうえで、脚立の取り扱い説明書を確認したうえで、脚立が倒れないよう十分に注意しましょう。
慣れていない作業は大きな怪我につながる可能性が高いため、少しでも不安を感じる場合は自身で作業を行わず、業者へ依頼することをおすすめします。
サルスベリの剪定方法

サルスベリの剪定方法は以下の手順で行います。
①不要な枝の除去
まずは枯れた枝や病気の枝、他の枝と絡み合っている枝を取り除きます。
②風通しの確保(透かし剪定)
内部に密集している枝を間引き剪定によって取り除き、風通しと日当たりを良くします。特に、内向きに伸びる枝や平行に伸びる枝を優先的に剪定することで、木の内部まで光や風が届きやすくなり、病害虫の予防につながります。
③樹高と樹形の調整(切り戻し剪定・強剪定)
高さや幅を整えるために、伸びすぎた枝や主幹の先端を好みの高さで切り戻します。サルスベリは新しく伸びた枝に花芽をつけるため、冬の休眠期に前年伸びた枝を短く切り戻す「切り戻し剪定」や、幹を短く切り詰める「強剪定」を行うことで、翌年の花付きを良くすることができます。
ただし、深く切りすぎると樹形が崩れる可能性があるため注意が必要です。
サルスベリの剪定で切るべき枝(不要枝)の切り方

サルスベリを健康に保ち、美しい樹形と花付きを維持するためには、以下の「不要枝」を剪定することが重要です。
■樹形を乱す枝
- 立ち枝:真上に勢いよく伸び、全体のバランスを崩す。
- 下がり枝(垂れ枝):下向きに伸び、見た目や風通しを悪化させる。
- 徒長枝:細く長く伸び、風に弱く、害虫の温床にもなりやすい。
■枝同士が混み合っている枝
- からみ枝:枝同士が絡み合い、風通しや日当たりを妨げる。
- 交差枝:別の枝とこすれ合って傷つきやすい。
- 混み枝:密集していて光や風を遮る枝。透かし剪定の対象。
■方向の悪い枝
- ふところ枝(内向き枝):木の中心に向かって伸び、蒸れやすくなる。
■成長や栄養バランスを乱す枝
- ヤゴ(ひこばえ):根元から出てくる枝で、主幹の成長を妨げる。
- 胴吹き枝:幹の途中から出る枝で、樹全体の栄養バランスを崩す。
■不健全な枝(病気・枯死)
- 枯れ枝:水分がなく、折れやすい。病害虫の温床になる。
サルスベリを剪定するときのコツ

サルスベリを剪定するときのコツは以下の通りです。
- 丸坊主に剪定しない:
枝葉をすべて落としてしまうと、木が光合成できなくなり、弱ったり枯れてしまうおそれがあります。見た目のバランスも崩れやすくなるため避けましょう。 - 枝に葉を残して剪定する:
枝先や節の近くに数枚の葉を残しておくことで、木の再生力を維持しやすくなります。特に細い枝を切るときは、葉が残る位置で整えるのがポイントです。
- 枝枯れしないよう強剪定を避ける(夏期):
花後に太い枝を勢いよく切ると、枝枯れや花芽減少につながることも。夏は軽い整理程度にとどめ、冬にしっかりと剪定を。
サルスベリを剪定するときの注意点

サルスベリを剪定するときの注意点は以下の通りです。
- 適切な時期を守る:
サルスベリの剪定は、落葉後の12月~3月頃か、二番花を咲かせたい場合は花後の8月下旬~9月頃に行うのが理想的です。特に冬の剪定は、翌年の花付きを左右するため重要です。 - 深く切りすぎない(夏期):
花後の夏剪定では、太い枝を切りすぎると翌年の花付きに悪影響が出ることも。不要枝の整理に留めるのが安心です。 - 水やりと肥料の調整:
剪定直後でも、乾燥しすぎないよう通常通りの水やりを心がけましょう。ただし、木は剪定によるストレスを一時的に受けているため、肥料の施用には注意が必要です。過剰な肥料は避け、木の様子を見ながら少量から始めるのが理想的です - 消毒を徹底する:
剪定ばさみを消毒してから使用することで、病気の伝播を防ぎ、木の健康を守ることができます。 - 癒合剤を塗る:
剪定後の切り口は病原菌の侵入や乾燥によるダメージを受けやすいため、癒合剤を塗ることで木の健康を守ることができます。特に太い枝を切った場合は必須で、切り口が乾かないうちに均等に塗布するのが理想的です。
サルスベリは剪定の仕方によっては成長や樹形、そして翌年の花付きに大きな影響を与えるため、適切な剪定を心がけることが大切です。不要な枝を整理しながら風通しを良くすることで、病害虫の発生を防ぎ、美しい樹形と豊かな花を維持できます。
サルスベリの育て方のポイント

サルスベリを健康に育てるためのポイントは以下の通りです。
- 適切な場所:
日当たりが良く、水はけの良い場所を好みます。十分な日照がないと花付きが悪くなることがあります。 - 土質:
肥沃で水はけの良い土壌を好みます。植え付けの際には、腐葉土や堆肥などを混ぜて土壌を改良すると根張りが良くなります。 - 肥料:
花付きを良くするためには、肥料を適切に与えることが重要です。2月頃に寒肥として有機肥料を、花後に化成肥料を施すのが一般的です。木の成長や状態を見ながら適量を調整することがポイントです。 - 水やり:
庭植えのサルスベリは、根付いてしまえば通常の水やりはほとんど不要です。ただし、夏場の乾燥が続く場合や、植え付け直後、若木の間は、適度に水を補給することで、健康な成長を維持できます。 - 病害虫対策:
サルスベリは比較的病害虫に強いですが、まれにアブラムシやうどんこ病の被害を受けることがあります。特に風通しが悪いと発生しやすいため、剪定で予防することが重要です。病気にかかった枝は早期に切除し、適切に処分します。害虫は早期発見し、駆除することが大切です。
まとめ

サルスベリは、夏から秋にかけて庭を彩る美しい花木です。サルスベリの剪定は、花付きに影響を与えることもあるため、適切な時期と方法で行うことが重要です。剪定の知識が不十分なまま枝を大きく切り落とすと、翌年の花付きが悪くなる可能性もあります。サルスベリ本来の姿を大切にするためにも、剪定は慎重に行い、木の健康を守りながら、その美しさを最大限に引き出すことが大切です。
剪定に不安がある場合や、自分で剪定して「失敗したかも!」と思ったときは、専門の業者に依頼することで適切な管理をしてもらえます。プロの技術を活用すれば、サルスベリの健康を守りつつ、美しい樹形と豊かな花を維持することができます。
自分で行う剪定作業に不安がある場合は、業者に依頼して適切なお手入れをしてもらうことをおすすめします。
冨宇加ナターシャ |植木屋革命 WEBマーケティング・編集担当 植木屋革命のWEBコンテンツ全般を担当。これまでに執筆した記事は100本を超えます。 庭いじり初心者の方にもわかりやすく、気軽に楽しめるガーデニング情報を発信中。季節ごとの植木の手入れのコツや、ちょっと珍しい野草の話題など、暮らしに寄り添う“緑のヒント”をお届けしています。 |
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