針金かけに挑戦!桜のミニ盆栽

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ミニ盆栽の基本のお手入れに慣れたら、枝の向きや形を整えて好みの樹形をつくる、針金かけに挑戦してみましょう。盆栽の醍醐味の一つである、針金かけの詳しい手順とポイントをご紹介します。

針金かけのメリット

年月を経た古木のような樹形をつくり、鉢の中で味わいある風景を楽しむ盆栽。針金をかけて枝をしならせることで、優美な印象に。また、枝を広げると大木感が演出できます。

枝の向きや形を曲げるのは、いっけん木を傷めつけているようですが、じつは盆栽が健康に育つというメリットもあります。針金かけをして枝を広げると、樹幹への日当たりと風通しが改善され、病害虫の予防に効果的です。また、成育がよくなることで、花付きや実付きを促す効果もあります。

針金かけの適期と道具

針金かけに適した時期は、樹種によって異なります。桜の適期は3月~6月、または秋も可能です。枝の形や向きを大きく変化させたいときは春にします。

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針金かけには、盆栽専用の針金を使用します。アルミ線と銅線の2種類が販売されていますが、小さなミニ盆栽には柔らかく扱いやすいアルミ線がおすすめです。

かける枝にあわせて、太さの違う針金を数種用意します。枝の太さや硬さにもよりますが、ミニ盆栽には約1~2mmの間のものがおすすめです。針金をかける枝を指でしならせてみて、そのしなりとおなじくらいの硬さの針金を選ぶとよいでしょう。

針金かけの手順

[道具]

針金(盆栽用のもの、アルミ線が使いやすい)
※手順の写真は太さ1.8mmのものを使用
ハサミ、またはペンチ(針金の切断用)

【1】

①

まず針金をかける前に、枯れた枝など不要な枝は剪定して樹形を整えておく。
※枯れている枝は手で曲げるとポキッと折れる

【2】

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木を正面からよく見て、針金をかける枝を決める。針金は、かける枝(*1)の1.5~2倍の長さに切っておく。
*1 )1本の針金を使って、2本の枝に針金かけをするので、かける両枝を足した長さを基準に針金を準備する

【3】

針①

下のほうの枝から、1本の針金を使って、2本の枝にまたがるように針金をかけていく。

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はじめに、針金をかける両枝の間の幹に、針金の中央部分を一巻きし、固定してから枝先へ巻いていく。
※上の写真はわかりやすくするため、針金に赤く色を付けています

【4】

針②

針金をかける枝が自分に向くよう鉢を置き、片手で枝を押さえながら巻いていく。
※花芽が付いているときは、花芽を避けて針金を巻く

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曲げたい方向に枝を誘導しながら巻いていく。決して無理に曲げずに、やさしく抑えるように。

【5】

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先端まで巻いたら、最後に余った針金を切る。もう一方の枝も、手順[4]と同じように針金を巻く。

【6】

針③

かけたいすべての枝に針金をかけ終えたら、日の光が内部まで当たるよう枝を広げ、樹形を整える。

植替えをするときは、針金かけを終えてから作業します

 

針金はいつまでかけておく?

かけた針金は、形が定着して、樹形が完成したら外します。桜の場合、ひと月ほどで外れることもあります。毎日成長具合を、注意深く観察するとよいでしょう。枝が肥ってきて、針金が食い込む前には外します。

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針金かけは、初心者にはハードルが高く思われますが、理想の樹形をイメージしながら、一本ずつ形を整えるのは楽しい作業です。自分好みの樹形に近付くことで、いっそう盆栽に愛着がわきますよ。

 

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