【カイガラムシ】植物に大量の貝殻のようなものが・・すぐにできる駆除と対策

ルビーロウカイガラムシ

目次
1.カイガラムシとはどんなもの?
2.カイガラムシの発生しやすい時期
3.カイガラムシが発生しやすい樹木
4.人への被害
5.樹木への被害
6.カイガラムシの駆除方法
7.カイガラムシの予防方法・幼虫の駆除
8.カイガラムシはどこからくるの?

 

■カイガラムシとはどんなもの?

写真を見ての通り、植物の枝や茎、葉に大量に付着し、またあまり動かないので一見すると虫とはわかりません。(動くカイガラムシは少数)
カイガラムシは枝や葉について樹液を吸う吸汁性害虫で、樹木の枝や葉に米粒をまき散らしたかのように発生し、基本的に動きません。その種類は400種以上存在し、名前の通り貝殻をまとったような硬い皮を持ちますが、綿のような皮をもち白い色をした「コナカイガラムシ」という種類もいます。
大きさは1㎜~3㎜程度と小さく、そのため大量に発生して気づくことが多いです。

カイガラムシ

イセリアカイガラムシ

■カイガラムシの発生しやすい時期

産卵・孵化は5月~7月頃です。
8月の外気温が暑くなると繁殖をはじめ、9月の初秋には成虫になります。

■カイガラムシの発生しやすい樹木

ソヨゴ・クロガネモチなどのモチノキ系の樹木・・・主にルビーロウカイガラムシ
みかんなど柑橘系、アカシア、ナンテン、モッコク・・・主にイセリアカイガラムシ
みかんなど柑橘系、柿、松、モミジ、ソテツ、サボテンなどの多肉植物、ユリ、ラン、アイビー・・・主にコナカイガラムシ
他にも環境が整えばカイガラムシはどの植物にも発生します。

■人への被害

人への被害はありません

■樹木への被害

生育阻害・「すす病」・「こうやく病」など

吸汁性害虫のため、植物の汁を吸うことで植物の生育が悪くなります。そのため、葉が出てこなくなったり、枯れたりします。

「すす病」はカイガラムシの排泄物によりという葉や植物が黒カビで覆われることにより発生します。すす病にかかると葉が黒くなり、植物の光合成を阻害します。なおカイガラムシの排泄物は糖を含み、アリやアブラムシを寄せるけるため、二次被害も発生します。
「こうやく病」は植物の枝などにビロードのような薄いカビを発生させ、全体を覆います。こちらも成長を阻害するので注意が必要です。

■カイガラムシの駆除方法

カイガラムシ

枝に付着した様子

成虫になったカイガラムシはその硬い皮質から薬剤が効きにくいといわれています。そのため物理的に除去するのがもっとも効果的です。

  • 発生した部分の剪定
  • 硬い歯ブラシやヘラなどでこそげ落とす

除去したあとは水をかけてカイガラムシの排泄物や体液を洗い流すとよいでしょう。

■カイガラムシの予防方法<幼虫の駆除>

前提としては、カイガラムシは風通しが悪く、湿度が高い環境で発生しやすいため、こまめな木の剪定で風通しをよくし、発生しにくくするとよいでしょう。

他には、成虫になる前の幼虫の段階で駆除することで植物への被害を予防できます。

薬剤を使わない方法

    • 牛乳:牛乳をスプレーボトルに入れて吹き付けます。牛乳の膜がカイガラムシを覆うため窒息します。
    • 木酢液:市販されているv木酢液を水で100倍以上に薄めて吹きかけます。
      ※木酢液は、木炭を作る際に生じる水蒸気を冷やして液化したもの。自作は大変なので市販品の購入をおすすめします。

他に重曹を使った駆除もありますが、あまり効果は期待できません。

薬剤を使う場合は、5~7月頃(幼虫が卵からかえったばかりの時期)、薬剤を月に2~3回ほど丁寧にまいて駆除します。油膜で覆い窒息させるエアゾール剤、殺虫剤としてのオルトラン水和剤などがおすすめです。

 

■カイガラムシはどこからくるの?

窓からカイガラムシ

カイガラムシは自然繁殖のほかに、風に乗ってやってくることが多いです。衣類に付着して持ち込むこともありますので、見つけたらすぐにゴミ箱に捨てましょう。(そのため屋内の観葉植物に発生することもあります)

カイガラムシは完全に防ぐことは困難です。過度な薬剤散布で敵対視せず、適度な予防と対策で被害を最小限にし、発生したら都度対処するようにしましょう。