剪定と消毒で庭木を健康に!よくある病気・害虫を徹底解説


1.病気?害虫?まずは原因を見極めよう
2.代表的な病気とその対策
3.代表的な害虫とその対策
4.特に注意したい害虫「イラガ」と「チャドクガ」
5.庭木の健康を守る基本は「剪定」と「消毒」
6.まとめ

 

1.病気?害虫?まずは原因を見極めよう

庭木や草花の元気がないとき、まず疑うべきは「病気」または「害虫」です。見た目が似ていても、原因が異なれば対処法も異なります。

【病気】カビ・細菌・ウイルスなどの微生物が原因。特に湿気が多く、風通しが悪い環境で発症しやすく、葉に斑点やカビが見られることもあります。

【害虫】アブラムシやハダニなどが原因。葉の穴あきや食害痕、虫の姿、排せつ物、クモの巣状の痕跡などが目印です。

【栄養障害】(過剰な水やり、肥料の不足・過多)による枯れ症状もあるため、見極めが重要です。

 

2.代表的な病気とその対策

植物は、健康に育てていてもさまざまな病気にかかる可能性があります。
以下は、家庭の庭や鉢植えで特に多く見られる病気とその対応法です。

【病名】うどんこ病
うどんこ病
【主な被害植物】バラ、ツツジ、アジサイなど
【症状】葉の表面に白いカビ状の斑点が現れ、葉が縮れ落葉
【発生後の主な対策】早期発見・除去、薬剤
【病名】灰色かび病
灰色かび病
【主な被害植物】トマト、イチゴ、シクラメンなど
【症状】葉・茎・花に灰色のカビが発生、全体に広がる
【発生後の主な対策】湿気対策、枯れ葉・花がらの除去、薬剤
【病名】モザイク病
モザイク病
【主な被害植物】トマト、ピーマン、パンジーなど
【症状】葉にまだら模様、縮れや黄変
【発生後の主な対策】アブラムシ駆除、発病株の処分
【病名】根腐れ病
根腐れ病
【主な被害植物】多くの植物(特に水はけの悪い場所)
【症状】植物の根元や地面に近い部分が腐る、葉や茎がしおれて最終的には枯れる
【発生後の主な対策】土壌改良、鉢の土交換
【病名】すす病
すす病
【主な被害植物】モチノキ、マツ、トマトなど
【症状】葉や枝に黒いすす状の汚れ
【発生後の主な対策】水洗い、拭き取り、薬剤
【病名】もち病
モチ病
【主な被害植物】サザンカやツバキ、サツキ、ツツジ類、シャクナゲ類など
【症状】葉がピンク色に肥大、白いカビが生え、枯れる
【発生後の主な対策】該当葉の除去、薬剤

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★3.代表的な害虫とその対策

春から夏にかけて活動が活発になる害虫には、以下のようなものがあります。特に葉の裏側など、見えにくい場所をよく観察しましょう。

【害虫名】アブラムシ
アブラムシ
【主な被害植物】サクラ、ツバキ、野菜類など
【症状】葉や茎に群がり吸汁、ウイルス病も媒介
【発生後の主な対策】天敵(テントウムシ)活用、薬剤
【害虫名】コナガ
コナガ
【主な被害植物】キャキャベツ、ブロッコリーなど
【症状】虫が葉の裏や内部を食べ、葉がレース状になる
【発生後の主な対策】コンパニオンプランツ、薬剤
【害虫名】ヨトウムシ
ヨトウムシ
【主な被害植物】カキ、モモ、サクラ などの若木の新芽
キャベツ、レタス、ナスなど
【症状】夜間活動し葉を食害、発見しづらい
【発生後の主な対策】捕殺、天敵活用、薬剤
【害虫名】ハダニ
ハダニ
【主な被害植物】カキ、モモ、ブドウ、リンゴ、ナシ、キュウリ、イチゴ、スイカなど
【症状】葉が黄変し枯れる
【発生後の主な対策】水洗い、粘着テープ、薬剤

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4.注意が必要な害虫「イラガ」「チャドクガ」

害虫の中でも、「イラガ」や「チャドクガ」は特に注意が必要です。
これらは植物への被害にとどまらず、人間にも皮膚炎やかゆみなどの健康被害を及ぼすため、特に注意が必要です。

【害虫名】イラガ
イラガの幼虫
【主な被害植物】カキ、サクラ、ウメなど
【症状】葉の裏に白い食害痕、刺されると激痛
幼虫を葉や枝ごと切り駆除、薬剤
【害虫名】チャドクガ
チャドクガ
【主な被害植物】ツバキ、サザンカ、カキなど
【症状】幼虫が集団で葉を食害、毒針毛で被害拡大
【発生後の主な対策】卵・幼虫の除去、薬剤

【刺された場合の対処法】
•粘着テープで毒針毛を除去し、流水で洗い流す
•掻かずに抗ヒスタミン剤を塗布
•衣類は50℃以上で洗濯またはアイロンがけ
•症状が重い場合は医療機関を受診


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5.庭木の健康を守る基本は「剪定」と「消毒」

庭木を健やかに育てるためには、日頃の「剪定」と「消毒」が欠かせません。
剪定は病害虫の発生を予防するうえで非常に重要です。
枝葉が密集すると風通しが悪くなり、湿気がこもって病気の原因になります。
適切な剪定によって日当たりと風通しが改善され、庭木は健康に育ちやすくなります。
さらに、枝葉をすっきりさせることで、鳥やテントウムシなどの天敵が害虫を見つけやすくなるというメリットも。自然の力も味方につけましょう。
薬剤を使うときは、病気や害虫の種類に合った薬剤を選ぶことが大切です。
また、葉の表だけでなく裏側まで丁寧に散布することで、効果がしっかり発揮されます。

1回の消毒で終わらせず、定期的に複数回行うことで、病害虫をしっかり防ぐことができます。

【環境整備が基本】
・定期的な剪定で風通しと日当たりを確保
・落ち葉や枯れ枝は早めに除去
・水はけの良い土づくりを心がけましょう

【薬剤の適切な使用】
害虫や病気に応じた薬剤を選ぶ
・葉の裏側まで丁寧に散布
・定期的に複数回行うと効果的

【自然の力も活用】
鳥やテントウムシなどの天敵を呼び込む環境づくり(過度に清潔にしすぎない)

 

6.まとめ

お庭の健康は、日々の観察とちょっとしたケアの積み重ねが守ってくれます。植物の異変に早く気付き、正しく対処すれば、美しい緑と花を長く楽しむことができます。
ぜひ今回の情報を参考に、大切な植物たちを病気や害虫から守りましょう。

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執筆者

冨宇加ナターシャ|植木屋革命 WEBマーケティング・編集担当
植木屋革命のWEBコンテンツ全般を担当。これまでに執筆した記事は100本を超えます。
庭いじり初心者の方にもわかりやすく、気軽に楽しめるガーデニング情報を発信中。季節ごとの植木の手入れのコツや、ちょっと珍しい野草の話題など、暮らしに寄り添う“緑のヒント”をお届けしています。