やってみよう!桜のミニ盆栽

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鉢の中で自然が凝縮された世界を楽しむことができる盆栽。なかでも、高さが10~15cm以下のものは「ミニ盆栽」と呼ばれ、近年人気があります。

ミニ盆栽にとって、定期的な植替えは欠かせないお手入れです。今回はミニ盆栽のなかでも、花を観賞する「花もの」として好まれる、桜のミニ盆栽の植替えをご紹介します。

植替えの必要性

小さく浅い鉢で育てるミニ盆栽は、何年も植替えをしないと根が伸びて、鉢の中がいっぱいになってしまいます。そのため、2年~3年に一度は植替え作業が必要です。水抜けが悪くなったら、植替えのサイン。伸びた根をほぐして切り、新しい土を入れて植替えます。

一般的に鉢植えの植替えは、成長にあわせて一回り大きな鉢を用意しますが、ミニ盆栽の場合は基本、鉢の大きさを変える必要はありません。小さな鉢で育てることで成育を抑制し、大きさの管理ができるので、5年くらいはおなじ鉢を使用して大丈夫です。ただ、植替えをして大きさの管理をしても、少しずつは成長しますので、株が大きくなり鉢とのバランスが崩れたら、一回り大きな鉢に植替えるとよいでしょう。

また植替えをするとき、伸びた根を小さく切ることも忘れずに。根を切ることで、株の大きさをキープする効果があります。
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盆栽には専用の鉢があります。最近は色や形の種類も豊富で、鉢選びも楽しみの一つ。大きさは変えずに色や形の違う鉢に植替えると、また違う雰囲気を楽しめます。

植替えに必要な道具と材料

盆栽にはそれぞれ、用途にあわせた専用の道具があります。他のもので代用することもできますが、専用の道具を使うと作業しやすく、盆栽づくりも上達します。

[道具]
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1:根切りばさみ(伸びた根を切る)
2:針金切り(針金を切る)
3:剪定ばさみ(盆栽の細めの枝を切る)
4:ヤットコ(針金をねじったり、針金をはずしたりする)
5:ピンセット(芽摘み、芽かきなどに使う)
6:レイキ(根をほぐす)

[材料]


赤玉土(中粒)
赤玉土(小粒)
底網
針金(盆栽用アルミ線が使いやすい)
コケ
バケツなど
癒合剤(剪定した切り口をふさぐのを促進し、病原菌の侵入を防ぐ薬剤)

道具や材料は、盆栽専門店、ネットショップなどで購入することができます。また、ホームセンターでも一部、取り扱いのある店舗もあります。

植替え手順

【1】

①
植替える前に、枯れた枝など不要な枝を剪定しておく。
(枯れている枝は手で曲げるとポキッと折れる)

【2】

②
太めの枝を剪定したときは癒合剤を塗って、病原菌の侵入を防ぎます。
針金かけをするときは、この作業の後、植替えをする前にします

【3】


鉢から株を外す。木が針金で固定されてるものは、ヤットコで針金を切って外してから、根元の幹をしっかりと指で挟んでもち、鉢からゆっくり取り出す。

【4】

⑫

根の周りに付いた古い土を、レイキを使って落とす(縦方向に動かすように)。長い根を切って、半分ほどの大きさにする。

【5】

⑦

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底網を取り付ける。植替える鉢の底穴より、一回り大きな底網を用意し、写真のように鉢の内側から針金で固定する。

【6】


苗を鉢に固定するための針金を準備する。長い針金2本と、5cmほどの短い針金を1本用意。長い針金2本をあわせたものを、写真のように短い針金に巻き付ける。

【7】

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⑪
[6]で用意した固定用の針金を、鉢底から底網の隙間を通して入れ、鉢の内側に沿うよう均等に広げる。

【8】

⑭
鉢底に赤玉土(中粒)を入れる。
※水はけをよくするため、鉢の下部には大きめの赤玉土を入れる

【9】

⑮
木の正面が、鉢の正面に来るように向きを整える。

【10】

⑯

⑰
鉢の深さの中ごろまで、赤玉土(中粒)を入れる。スプーンの柄やピンセットなどで押し、隙間なく詰め込む。

【11】

⑱
鉢の上部に、根が隠れるまで赤玉土(小粒)を入れ、同様にピンセットなどで押して隙間なく詰め込む。

【12】

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[7]で設置した固定用の針金を使って木を鉢に固定する。針金を2本ずつ使って、株元を押さえるようにヤットコでねじり締める。
※しっかり締めると針金は土に埋まり見えなくなる。苗をゆすってみて動かなければOK

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固定できたら、飛び出た針金を短く切り、切り端を目立たないように土の中に隠す。

【13】

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㉓
好みでコケを張る。少しずつ、指で軽く押さえて定着させる。コケの下に土が付いているときは、ハサミを使ってそぐように土を落としてから張る。
コケを張ると見た目が美しいだけでなく、保水効果も期待できる。

【14】

㉑
植替え後すぐに、水をたっぷり張ったバケツなどを用意し、鉢ごと根元まで漬けて給水する(土の色が変わったらすぐに引き上げる)。
ミニ盆栽は、水の管理が重要。植替え直後は、たっぷりと水やりすることを忘れずに。

日々の大切なお手入れ

盆栽は基本、屋外で育成します。室内で観賞するときは、長く置くと木が弱るので3日ほどで屋外に戻します。日中は室内で楽しみ、夜は屋外に戻してもよいでしょう。

日常のお手入れで、いちばん大切なポイントは水やりです。盆栽は乾燥に弱く、水切れが枯れの原因となります。土の表面が乾いているときや、持ち上げて軽いときは、たっぷりと鉢の底穴から流れ出るまで水を与えます。

水やり回数は桜(落葉樹)の場合、春・秋は1日1~2回、夏は1日に3回、冬は2日に1回を目安に。浅鉢で水はけがよいので、根腐れの心配はあまりありません。日中家を空けるときや2日~3日の旅行は、受け皿にたっぷり水を入れて、底面から給水できるようにします。長期間家を空けるときは、家族や知り合いに水やりを頼むか、市販の自動潅水機などを利用して水切れを防ぎましょう。

 

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