「黒い虫もしくは白い虫がついてしまった」「柑橘類の樹木の葉が幼虫にかじられてしまった」そんな話を耳にしたことはありませんか?柑橘類の樹木は害虫被害を受けてしまうこともしばしば。このページでは、柑橘類の樹木を害虫の被害から守るためにできること、害虫がついてしまった際の駆除方法をご紹介いたします。
目次
1、柑橘類の樹木につく虫「アゲハ蝶の幼虫」
2、柑橘類の樹木につく虫「アブラムシ」
3、柑橘類の樹木につく虫「ハダニ」
4、まとめ
1、柑橘類の樹木につく虫「アゲハ蝶の幼虫」
柑橘類の新葉はアゲハ蝶の幼虫の大好物です。
アゲハ蝶の幼虫は柑橘類の樹木の葉を食害し、葉を激減させてしまいます。
アゲハ蝶の幼虫が発生した場合の駆除には、以下の方法があります。
■割りばしで取り除く
春から秋に数回発生するため、卵や幼虫を見つけしだい割りばしなどで取り除きましょう。
アゲハ蝶の幼虫は、小さいときは鳥のフンのような黒っぽい色をしていますが、成長すると緑色に変化します。
■殺虫剤を使用する
もっとも効率がいい方法として挙げられるのが、殺虫剤による駆除です。
お近くのホームセンターの園芸コーナーなどで柑橘類の樹種を伝えて、オススメの殺虫剤を紹介してもらいましょう。
«アゲハ蝶の幼虫:予防方法»
アゲハ蝶は柑橘類の樹木に産卵します。特に幼木は葉が柔らかいため狙われやすいそう。
柑橘類の樹木にアゲハ蝶の幼虫が発生してしまう前に、以下の予防策があります。
■防虫ネット
まずは柑橘類の樹木に、アゲハ蝶が卵を産まないように対策しましょう。
アゲハ蝶の産卵時期は4月~11月頃。この期間内で卵を産む時期はおおよそ3回~4回 。
ですので産卵が始まる前の3月頃に防虫ネットを柑橘類の樹木にかけてあげましょう。
アゲハ蝶は葉に止まることができなくなるため、産卵しづらくなります。
2、柑橘類の樹木につく虫「アブラムシ」
アブラムシは柑橘類の樹木の新芽や葉裏などに寄生して、維管束口針を突き刺し植物の汁液(養分)を吸って生活しています。
新芽のうちから虫がついてしまうと、果実をつけるために必要な生き生きとした葉が育ちにくくなります。
また、植物の汁液を吸って生活するアブラムシは「病気になった植物から健康な植物へウイルスを媒介する」可能性があるために非常に厄介な害虫です。
非常に繁殖力が高い害虫のため、見つけたらすぐに駆除するようにしましょう。
アブラムシが発生した場合の駆除には、以下の方法があります。
■粘着テープ
アブラムシの数が少ないのであれば、粘着性のあるテープでの除去が有効です。
黄色い物に集まる性質を利用した黄色の粘着板を設置するといった駆除方法もあります。
■テントウムシを放つ
アブラムシの天敵であるテントウムシを、柑橘類の樹木に放ちます。
テントウムシは大きく分けて肉食・草食・菌食の3つに分類されますが、
一般的によく見かけるナナホシテントウは肉食の益虫のためアブラムシを食してくれます。
益虫かどうかの見分けがつかない場合は、一度画像検索をしてみるといいかもしれません。
■殺虫剤を使用する
もっとも効率がいい方法として挙げられるのが、殺虫剤による駆除です。
殺虫剤には様々な種類があり、主にアブラムシを駆除したい場合と、アブラムシを含むその他の害虫も駆除したい場合とで効果的な殺虫剤を使い分けます。
お近くのホームセンターの園芸コーナーにて、柑橘類の樹木の状況を相談してオススメの殺虫剤を紹介してもらいましょう。
«アブラムシ:予防方法»
柑橘類の樹木にアブラムシが大量発生してしまう前に、以下の予防策があります。
■窒素肥料を控えめにする
柑橘類の樹木を元気に育てるため、窒素肥料を使用している方も多いのではないでしょうか?
窒素肥料は、与えすぎると葉に栄養が行きすぎてしまうばかりか、アブラムシを含む害虫の被害にあいやすくなります。
過剰な施肥や栄養不足にならないよう、窒素肥料の施肥量を確認しましょう。
■適度に剪定をする
枝葉が込み合い、日当たり・風通しが悪い植物はアブラムシが過ごしやすい環境です。
柑橘類の樹木の枝葉を適度に剪定することで、アブラムシが苦手な太陽光が葉に当たる上に風通しもよくなります。
剪定は樹木を健康に育てるためにも大切な作業のため、枝葉が込み合う前に行うようにしましょう。
■殺虫剤を使用する
アブラムシが大量発生する前に、あらかじめ殺虫剤を使用する方法もあります。
地域によって異なりますが、一般的にアブラムシが発生する時期は4月~10月と言われています。
発生前の3月頃に適切な殺虫剤を使用することでアブラムシの発生を予防することができます。
3、柑橘類の樹木につく虫「ハダニ」
ハダニは柑橘類の樹木の葉裏に寄生して、植物の汁液(養分)を吸って生活しています。また、クモの巣のような糸を張ることで知られています。放置していると最悪の場合、すべての葉が黄色く枯れ落ちてしまうことも。ハダニが発生した場合の駆除には、以下の方法があります。
■粘着テープ(少数の場合)
ハダニはセロテープなど粘着性のあるテープでの除去方法もあります。
ハダニが発生している箇所にテープを張りはがしし、ハダニを捕まえましょう。
※粘着力が強すぎると葉が破れてしまうことがあるので注意しましょう
■水のスプレーを使う
高温・乾燥に強いハダニですが、水はとても苦手。
葉の裏を重点的に、柑橘類の樹木から水がしたたり落ちるほど全体にしっかりと水スプレーをかけましょう。
■牛乳スプレーを使う
晴れた日2倍に薄めた牛乳を、ハダニにスプレーします。牛乳が乾くまで待てばハダニは窒息しているので、牛乳が付着した部分を水でしっかり洗い流しましょう。そのままにすると悪臭や腐敗、カビの繁殖を招いたりする原因になります。洗い残しが無いよう注意しましょう。
«ハダニ:予防方法»
柑橘類の樹木にハダニが大量発生してしまう前に、以下の予防策があります。
■こまめに葉水をする
水やりの際に、霧吹きなどで葉の表裏に水を吹きかけましょう。
駆除方法でも記載しましたが、ハダニは水が苦手なため、こまめに葉水することで予防ができます。
■テントウムシを放つ
アブラムシの駆除方法の際にも紹介しましたが、テントウムシはハダニの天敵でもあります。
テントウムシを柑橘類の樹木に放飼いにしてハダニの発生を予防しましょう。
■薬剤をスプレーする
薬剤を散布することで、ハダニの発生や大量発生を予防することができます。しかし、ハダニは薬剤に対する耐性がつきやすく、同じ薬を何度も使用すると効果がなくなってしまうようです。薬剤を使用する場合は、2・3種類の異なる系統の薬を使用してハダニに薬剤耐性がつかないようにしたほうがよいでしょう。
4、まとめ
いかがでしたか?柑橘類の樹木の害虫被害を防ぐためにも、葉の裏などをこまめに確認することをおすすめします。柑橘類の樹木に被害を与える害虫の中には、繁殖力が強い害虫も多いため、樹木の異変に早めに気づき正しい予防と対策をすることがポイントです!